とまとさんがね・・/とよた かずひこ

とよたかずひこさんの『とまとさんがね・・』(2014年 童心社)は、まっかなトマトがふたつ登場し、まげを結んでおすもうさんに大変身!「ガッツーン」とぶつかり合うユーモラスな展開が子どもたちを笑顔にします。食べものがキャラクターになって動き出す「食育絵本シリーズ」の第9弾で、楽しみながら食べ物への興味を育める内容になっています。リズミカルな言葉とかわいらしい表情のトマトたちが、読み聞かせでも大活躍間違いなし。遊び心と食育がつながった、親子で一緒に楽しめる絵本です。

略歴

とよた かずひこ

とよたかずひこ(本名:豊田 一彦)さんは、1947年、宮城県仙台市に生まれました。早稲田大学第一文学部を卒業されています。大学卒業後はフリーのイラストレーターとして活動し、長女の誕生をきっかけに絵本作家へと転身しました。1997年には『でんしゃにのって』で厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦を受け、2001年には『どんどこ ももんちゃん』で第7回日本絵本賞を受賞しています。また、『あめですよ』は小学1年生の国語教科書(東京書籍)に採用されるなど、多くの作品が親しまれています。

おすすめ対象年齢

『とまとさんがね・・』の対象年齢は1歳からおすすめです。短いフレーズの繰り返しや擬音が多く、小さなお子さんでも楽しめる内容になっています。また、食べ物を題材にしているので、食べることへの関心を持ち始める幼児期にぴったり。親子で笑いながら、食べ物やことばのリズムを味わえる一冊です。

レビュー

この絵本は、トマトがまげを結んでおすもうさんになるという、発想のユニークさがとても魅力的でした。トマトがぶつかり合うシーンはシンプルですが迫力があり、子どもと一緒に「ガッツーン!」と声を合わせて楽しめるのがいいですね。とよたかずひこさんらしい、温かみのあるイラストとテンポの良い言葉遊びが心地よく、読んでいて自然に笑顔になれました。食育絵本としてだけでなく、遊び心や想像力を広げてくれる作品だと思います。