いちにちおもちゃ/ふくべ あきひろ

『いちにちおもちゃ』(作:ふくべ あきひろさん、絵:かわしま ななえさん、2009年、PHP研究所)は、男の子が「いちにちだけおもちゃになってみたい!」と願い、クレヨンやけんだま、ぬりえ、つみきなど、次々とおもちゃに変身していくユーモラスな絵本です。それぞれのおもちゃの立場で体験する苦労や驚きがテンポよく描かれ、子どもたちの想像力を刺激します。読後には「おもちゃを大切にしよう」と思える心あたたまる一冊です。

略歴

ふくべ あきひろ

ふくべ あきひろ(福部 明浩)さんは、1976年兵庫県生まれのコピーライター・絵本作家です。​京都大学工学部を卒業後、1998年に博報堂に入社し、コピーライターとして数々の広告賞を受賞しました。​2013年に独立し、クリエイティブオフィス「catch」を設立。​2009年に絵本『いちにちおもちゃ』で作家デビューし、以降「いちにち」シリーズを中心に、子どもたちの想像力を刺激するユーモアあふれる作品を多数手がけています。​彼の作品は、日常の中にあるユニークな視点や発想を通じて、読者に新たな気づきや楽しさを提供しています。

かわしま ななえ(絵)

かわしまななえ(川嶋ななえ)さんは、1983年東京都生まれの絵本作家・アートディレクターです。​東京造形大学を卒業後、多摩美術大学大学院を修了し、2008年に広告会社・博報堂に入社。​アートディレクターとして活動する傍ら、2009年にふくべあきひろさんとの共作『いちにちおもちゃ』で絵本作家としてデビューしました。​以降、「いちにち」シリーズ全作品のイラストを担当し、独特のユーモアと温かみのある作風で多くの読者を魅了しています。​歌舞伎をこよなく愛し、キジトラ猫の松と梅を飼うなど、日常の中の豊かな感性が作品に反映されています。

おすすめ対象年齢

この絵本は、保育園・幼稚園の未就学児から小学校低学年までを対象としています。​おもちゃの気持ちを想像することで、共感力や想像力を育む内容となっており、親子での読み聞かせにも最適です。

レビュー

『いちにちおもちゃ』は、子どもの豊かな発想と想像力をくすぐる楽しい一冊でした。おもちゃに変身した主人公の視点で描かれる体験はどれもユニークで、「そんな風に感じるかも!」と共感したり笑ったり。特にクレヨンとしてこすられる場面などは、子どもも大人も思わず「あるある!」と感じることでしょう。かわしまななえさんの表情豊かなイラストが物語の面白さをさらに引き立てていて、読み聞かせにもぴったり。遊びながら物を大切にする心も育まれる、楽しくて学びのある絵本だと感じました。

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