かぶさんとんだ/五味 太郎

五味太郎さんの『かぶさんとんだ』(1985年・福音館書店)は、あかかぶさんとしろかぶさんが台所からふわっと空へ飛び出すところから始まる、想像がどんどん広がる冒険絵本です。てるてるぼうずくん、たこさん、かみなりくん、さらにはうちゅうじんさんまで、次々と仲間が増えていく愉快な展開が語られています。どこまでも飛んでいく不思議で自由な世界が、五味太郎さんらしいユーモアとシンプルな絵で描かれていて、小さな子どもでもワクワクしながら楽しめる一冊です。

略歴

五味 太郎

五味太郎(ごみたろう)さんは、1945年、東京都に生まれた日本を代表する絵本作家であり、グラフィックデザイナーでもあります。東京藝術大学美術学部工芸科を卒業後、広告デザインやグラフィックの仕事に携わり、その後絵本の制作を始めました。1977年に初の絵本『みんなうんち』を発表し、ユニークな視点とシンプルで大胆なデザインが評価され、多くの読者に愛される作家となりました。
代表作には『きんぎょが にげた』『かずのえほん』『たべたの だあれ』などがあり、その多くが世界中で翻訳・出版されています。五味さんの作品は、明確でわかりやすいイラストと、遊び心あふれる構成が特徴で、幼児から大人まで幅広い層に支持されています。また、創作の傍らでエッセイ執筆やワークショップも行い、子どもたちとの対話を通じて創作活動を続けています。彼の絵本は、視覚的な楽しさとともに子どもの創造力を育むことを目的とし、多くの作品が日本国内外でロングセラーとなっています。

おすすめ対象年齢

対象年齢は 2歳ごろから とされています。文章が短くテンポよく進むので、小さな子でも理解しやすく、読み聞かせにぴったりです。次々にキャラクターが増えていく展開は視覚的にも楽しく、ストーリーを追うだけで自然と想像力が刺激されます。絵の動きもわかりやすいので、初めての絵本としてもおすすめです。

レビュー

読んでみると、とにかく“飛んでいく”というシンプルな設定なのに、どんどん世界が広がっていく感じがとても心地よかったです。かぶさんに続いて、てるてるぼうずやたこさん、かみなりくんまでついてくる展開は、読んでいる側も「次は誰が来るんだろう?」とワクワクします。五味太郎さんの絵は相変わらずシンプルなのに表情豊かで、ページをめくるたびに楽しい発見があります。最後の「どこまでいったのかな?」という余韻もよくて、読み終わったあとに子どもと一緒に想像を広げたくなる絵本でした。