ママって すごーい!/クリス・ホートン

『ママって すごーい!』は、クリス・ホートン作、木坂涼訳の絵本で、2022年にBL出版から刊行されました。原作『Well Done, Mummy Penguin』はイギリスで出版されました。物語は、パパとママのペンギンが協力して子育てをする様子を描いており、パパが子どもを守る間に、ママが食べ物を取りに行く姿が描かれています。クリス・ホートンの優しい絵と、ママへの愛情が溢れるラストが印象的な作品です。

略歴

クリス・ホートン

クリス・ホートン(Chris Haughton)は、1978年にアイルランドのダブリンで生まれた絵本作家、イラストレーター、デザイナーです。彼は、新聞や雑誌など多岐にわたる媒体でイラストを手掛けており、その独特でカラフルなスタイルが特徴です。2007年には、フェアトレードブランド「ピープルツリー」のために制作した作品が、タイム誌の「デザイン100選(The Style + Design 100)」に選ばれ、国際的な評価を得ました。彼の代表作である『ちょっとだけまいご』や『どうする ジョージ!』、『もしかして…』などの絵本は、シンプルながら深いメッセージ性とユーモアを持ち、世界中の子どもたちや大人たちに親しまれています。また、デザインとフェアトレードを結びつけるソーシャルビジネスサイト「node(madebynode.com)」を立ち上げ、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

木坂 涼(訳)

木坂涼(きさか りょう)さんは、1958年、埼玉県生まれ。和光大学人文学部芸術学科を卒業後、博報堂に勤務されました。1981年、自費出版の詩集『じかんはじぶんを』で詩人としてデビューし、その独特な作風が注目を集めました。1987年には詩集『ツッツッと』で第5回現代詩花椿賞を受賞し、1997年には『金色の網』で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞されています。詩人としての活動に加え、エッセイスト、絵本作家、翻訳家としても幅広く活躍されています。特に、創作絵本や海外の児童文学の翻訳に力を入れており、代表作には『みんなおっぱいのんでたよ』(福音館書店)や『あいうえたいそう』(偕成社)などがあります。また、翻訳作品としては『ねずみの歯いしゃさんアフリカへいく』や『ヨセフのだいじなコート』など、多数の絵本を手掛けています。現在も、詩や絵本の創作、翻訳を通じて、子どもから大人まで幅広い読者に親しまれる作品を提供し続けています。

おすすめ対象年齢

この絵本は、2歳から4歳くらいの幼児を主な対象としています。簡潔でリズミカルなテキストと、明るい色彩のイラストが小さな子どもたちに親しみやすく、親子で読み聞かせを楽しむのに適しています。
また、親子の絆や協力をテーマにしているため、少し年上の5~6歳の子どもにも共感できる内容となっています。

レビュー

『ママって すごーい!』は、親子の絆や家族の愛情をシンプルに、そして感動的に描いた素晴らしい絵本だと感じました。クリス・ホートンの独特な色彩と幾何学的なデザインが、南極の寒冷な世界でも温かさを感じさせる仕上がりになっています。特に、ママペンギンが氷の上を滑り、食べ物を取って戻ってくる冒険のシーンは、スリルと安心感が巧みに組み合わさっており、小さな子どもたちに強い印象を与えるでしょう。また、ストーリー全体を通して「ママの頑張り」を描くだけでなく、パパのサポートや家族全員の協力が丁寧に描かれている点も素晴らしいと思います。

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