ま、いっか!/サトシン

サトシンさん作、ドーリーさん絵の『ま、いっか!』(2015年 えほんの杜)は、なんでも「ま、いっか!」と受け流してしまうテキトーさんのお話。朝から遅刻しそうでも、失敗を繰り返しても気にしないテキトーさんは、どんなときも前向き(?)に進んでいきます。けれど、その「ま、いっか!」が積み重なっていくうちに、とんでもない場所にたどり着いてしまって…!サトシンさんならではのテンポの良い言葉と、ドーリーさんのポップでユーモラスなイラストが絶妙にマッチした、読むとちょっと気持ちがラクになるような絵本です。

略歴

サトシン

サトシン(本名:佐藤伸/さとう しん)さんは1962年、新潟県生まれの絵本作家です。もともとは広告制作プロダクションに勤め、専業主夫を経て、フリーランスのコピーライターとして在宅で働きつつ、やがて絵本作家の道へ進みました。「お話の力の復権」を目指し、親子のコミュニケーション遊びとして「おてて絵本」を考案、ソング絵本の普及活動も精力的に行っています。代表作には、爆笑必至で子どもにも大人にも人気の『うんこ!』(絵:西村敏雄/文溪堂)、『わたしは あかねこ』(絵:西村敏雄/文溪堂)、そして『とこやにいったライオン』(絵:おくはらゆめ/教育画劇)や『でんせつの きょだいあんまんを はこべ』(絵:よしながこうたく/講談社)など、多彩なテーマとユーモアを交えた絵本を多数手がけています。「おてて絵本」のアイデアや全国での絵本ライブ活動など、絵本を読むだけでなく“場づくり”としての絵本文化を広げている点も、サトシンさんならではの魅力だと思います。

ドーリー(絵)

ドーリーさん(1986年、大阪府出身)は、京都精華大学を卒業後、イラストレーター・マンガ家・切り絵作家として活躍しています。2014年、サトシンさん作の『どうぶつまぜこぜあそび』(そうえん社)で絵本デビュー。以後、『どうぶつ川柳 ぼく、だーれ?』(サトシン/そうえん社)、『あるひ、いつものがくどうで。』(サトシン/えほんの杜)、そして『ま、いっか!』(2015年、えほんの杜)など、サトシンさんとのコンビで子ども向け絵本を数多く手がけています。「見た人が楽しくなったり、少し元気になるような作品を作っていきたい」と語るその作風は、切り絵やポップな色づかい、やわらかく温かい線で、子どもだけでなく大人にも親しみやすいイラストを生み出しています。

おすすめ対象年齢

対象年齢は3歳から小学校低学年くらいまでがおすすめです。繰り返しの「ま、いっか!」がリズミカルで小さな子でも楽しめ、読み聞かせにもぴったり。小学生になれば「失敗しても気にしない」姿勢をユーモラスに感じつつ、自分なりの受け止め方もできるので、幅広い年齢で楽しめる作品です。

レビュー

テキトーさんの「ま、いっか!」は、最初はただのズボラにも見えるけれど、読み進めるうちに「意外と悪くない考え方かも」と思わせてくれます。失敗を引きずらず、次々に前へ進む姿は、子どもにとっては大きな安心感、大人にとっては肩の力を抜くヒントになるように感じました。ドーリーさんのカラフルでユーモアあふれる絵が、テキトーさんの明るい雰囲気をさらに引き立てていて、読後は気持ちがふっと軽くなる絵本です。親子で笑いながら「ま、いっか!」と言いたくなる一冊でした。