『どこへいってた?』は、マーガレット・ワイズ・ブラウンが作、バーバラ・クーニーが絵を手掛けた絵本です。原作は1952年にアメリカで発行され、1996年には内田莉莎子さんによる翻訳版が出版されています。物語は、「どこへいってた?」という問いかけに対し、ねこが「あっちきょろきょろ こっちきょろきょろ ぶらぶらしてた」と答えるリズミカルな展開が特徴です。このやり取りが繰り返されることで、幼い読者も楽しめる内容となっています。
略歴
マーガレット・ワイズ・ブラウン
マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown, 1910-1952)は、アメリカを代表する児童文学作家で、多くの子どもたちに愛される絵本を生み出しました。特に『おやすみなさい おつきさま』(Goodnight Moon)は、彼女の代表作として知られています。ニューヨーク生まれのブラウンは、幼少期から動物や自然への関心を持ち、のちにホリンズ大学で教育を学びました。後、教師として働きながら執筆活動を開始。彼女の作品は、シンプルでリズミカルな言葉遣いと、子どもの感性を捉えた内容が特徴です。若くして急逝しましたが、その作品は今もなお、多くの読者に親しまれています。
バーバラ・クーニー(絵)
バーバラ・クーニー(Barbara Cooney)は、1917年にニューヨーク市で生まれました。画家であった母親の影響で、幼少期から絵を描くことに親しみ、スミス・カレッジおよびアート・スチューデンツ・リーグ校で美術を学びました。彼女は、物語とテーマに忠実な作風で、多くの挿絵や絵本を手がけ、アメリカで高く評価される絵本作家の一人となりました。代表作には、『チャンティクリヤときつね』や『にぐるまひいて』があり、これらの作品で2度コールデコット賞を受賞しています。
うちだりさこ(訳)
内田莉莎子(1928年6月24日 – 1997年3月22日)は、東京生まれの翻訳家、児童文学者、ロシア文学者です。祖父である内田魯庵が、モナリザにちなんで「莉莎子」と命名しました。早稲田大学第一文学部露文科を卒業後、1964年にポーランドへ留学し、以降、ロシアや東欧の児童文学や昔話の翻訳紹介を行いました。代表的な訳書に『てぶくろ』や『おおきなかぶ』などがあります。 また、マーガレット・ワイズ・ブラウンの『どこへいってた?』の翻訳も手掛けています。彼女は多くの海外絵本を日本語に翻訳し、児童文学の分野で高く評価されています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、おおよそ3歳からとなっています。シンプルでリズミカルな文章と親しみやすいイラストが、小さな子どもたちの興味を引きつける内容です。
レビュー
『どこへいってた?』は、シンプルな問いかけと答えの繰り返しが心地よく、幼い子どもたちに安心感を与える絵本です。バーバラ・クーニーの温かみのあるイラストが物語を引き立て、親子での読み聞かせに最適です。また、リズミカルな言葉遣いが子どもの言語発達にも寄与すると感じました。


