かくしたの だあれ/五味 太郎

五味太郎さんの絵本『かくしたの だあれ』は、1977年に文化出版局から刊行された作品で、同年に発行された『たべたの だあれ』とともに「どうぶつあれあれえほん」シリーズの第4集として位置づけられています。​この絵本では、動物たちがさまざまなものを隠し、「かくしたの、だあれ?」と問いかける形式で進行します。​読者はページをめくるたびに、隠されたものを探す楽しさと驚きを味わうことができます。​また、数あそびの要素も取り入れられており、幼児の好奇心と観察力を育む内容となっています。

略歴

五味 太郎

五味太郎(ごみたろう)さんは、1945年、東京都に生まれた日本を代表する絵本作家であり、グラフィックデザイナーでもあります。東京藝術大学美術学部工芸科を卒業後、広告デザインやグラフィックの仕事に携わり、その後絵本の制作を始めました。1977年に初の絵本『みんなうんち』を発表し、ユニークな視点とシンプルで大胆なデザインが評価され、多くの読者に愛される作家となりました。
代表作には『きんぎょが にげた』『かずのえほん』『たべたの だあれ』などがあり、その多くが世界中で翻訳・出版されています。五味さんの作品は、明確でわかりやすいイラストと、遊び心あふれる構成が特徴で、幼児から大人まで幅広い層に支持されています。また、創作の傍らでエッセイ執筆やワークショップも行い、子どもたちとの対話を通じて創作活動を続けています。彼の絵本は、視覚的な楽しさとともに子どもの創造力を育むことを目的とし、多くの作品が日本国内外でロングセラーとなっています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、1歳から3歳程度とされています。​シンプルな文章とカラフルなイラストが特徴で、幼児が視覚的に楽しみながら、言葉のリズムや繰り返しのパターンを学ぶのに適しています。​また、親子での読み聞かせを通じて、コミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。

レビュー

『かくしたの だあれ』は、五味太郎さんならではのユーモアと創造性が光る作品です。​動物たちが何かを隠すというシンプルな設定ながら、ページをめくるたびに新たな発見があり、子どもたちの好奇心を刺激します。​イラストは色彩豊かで、視覚的にも楽しめる構成となっています。​また、繰り返しのフレーズがリズミカルで、読み聞かせにも最適です。​親子で一緒に「だあれ?」と問いかけながら読むことで、自然と会話が生まれ、楽しい時間を共有できます。​この絵本は、子どもたちの観察力や想像力を育む素晴らしい一冊だと感じました。