まほうでなんでやねん/鈴木 翼

鈴木翼さんが文、あおきひろえさんが絵を手がけた『まほうでなんでやねん』(2019年 世界文化社)は、ツッコミが止まらない爆笑コミュニケーション絵本。突然テレビが映らなくなり、お母さんが困っていると、魔法使いが「パンパカパ~ン!」と登場! でも呪文「オポポ アポ~ン!」という効き目がトンチンカンで「なんでやねん!」の連発。ボケとツッコミがテンポよく繰り返され、親子でかけあい漫才のように楽しめます。笑いながら読むうちに、自然と会話も盛り上がる一冊です。

略歴

鈴木 翼

鈴木翼(すずき つばさ)さんは、私立保育園や子育て支援センターで約8年間勤務した後、2009年に「あそび歌作家」として活動を開始しました。保育雑誌への連載や執筆、全国でのファミリーコンサートや保育者向け講習会にも出演。2013年には『なんでやねん』(世界文化社)で絵本作家デビューし、以後多数の絵本を発表。NHKの教育番組や楽曲提供も手がけ、2015年からはフジロック・キッズランドステージにも4年連続出演。2019年には大阪芸術大学短期大学部保育学科の客員教授も務めています。保育者目線の温かい作品づくりが魅力の作家です。

あおき ひろえ(絵)

あおきひろえさんは愛知県生まれ。京都精華大学美術学部デザイン科を1985年に卒業後、大阪のイラストレーター集団・株式会社スプーンに所属、のちにフリーランスとなりました。絵本デビューは『パパとぼく』(絵本館)で、以降『夏平くん』『ぼんちゃんのぼんやすみ』など多数。『ゆうえんちでなんでやねん』も代表作の一つです。

おすすめ対象年齢

対象年齢は3歳頃から小学校低学年くらいまで。読み聞かせで楽しめる内容なので、幼児にもおすすめです。ボケとツッコミのわかりやすいやりとりが繰り返されるため、言葉のやりとりに興味を持ち始めた子どもにもぴったり。親子で一緒に声に出して読むと楽しさ倍増です!

レビュー

最初から最後まで「なんでやねん!」の連発で、大人も子どもも大笑い。魔法使いたちのズレた呪文と、それによって起きるトンチンカンな出来事に、読みながらついツッコミたくなります。シンプルな展開ながら、言葉のテンポが良くて飽きません。絵のタッチもゆかいで、魔法使いたちの表情や動きがコミカルに描かれていて、視覚的にも楽しめます。普段ツッコミ文化に慣れていない子どもにも、ツッコミってこういうことか!と自然に伝わるのがいいですね。