おともだちに なってくれる?/サム・マクブラットニィ

『おともだちに なってくれる?』は、サム・マクブラットニィ作、アニタ・ジェラーム絵、小川仁央訳による絵本で、2020年に刊行されました。原作のタイトルは『Will You Be My Friend?』でイギリスで発行されています。本作は、世界中で愛される『どんなにきみがすきだかあててごらん』の続編です。物語は、ひとりで遊びに出かけたチビウサギが、偶然、まっしろなウサギに出会い、お友だちになれるかを描いています。作者のサム・マクブラットニィさんは2020年に亡くなられ、本作が遺作となりました。

略歴

サム・マクブラットニィ

サム・マクブラットニィ(Sam McBratney、1943年~2020年)は、北アイルランド出身の作家で、子ども向けの絵本や小説で知られています。トリニティ・カレッジ・ダブリンで学び、教師として働くかたわら執筆活動を始めました。代表作『どんなにきみがすきだかあててごらん』(Guess How Much I Love You、1994年)は、イラストレーターのアニタ・ジェラームと共に手掛け、世界的なベストセラーとなりました。この作品は40以上の言語に翻訳され、親子の愛情を描いた心温まる内容で、多くの読者に愛されています。生涯で70冊以上の本を出版し、読者に深い感動を与えました。

アニタ・ジェラーム(絵)

アニタ・ジェラーム(Anita Jeram)は、1965年にイギリスのポーツマスで生まれました。マンチェスター・ポリテクニクでイラストレーションを学び、卒業後1年で最初の絵本を出版しました。彼女の代表作には、サム・マクブラットニィとの共作『どんなにきみがすきだかあててごらん』や『パパとママのたからもの』、自身が文と絵を手掛けた『ぼくはぼくのほんがすき』などがあります。ジェラームの作品は、温かみのある水彩画と繊細な描線が特徴で、動物たちの豊かな表情や仕草を通じて、読者に深い感動を与えています。彼女のイラストは、子どもだけでなく大人にも愛され、世界中で多くの読者に親しまれています。

小川 仁央(訳)

小川 仁央(おがわひとみ)さんは、英米の絵本や物語を中心に活躍する翻訳家です。具体的な生年月日や出身地などの詳細な経歴は公開されていませんが、これまでに多くの絵本を日本語に翻訳し、読者に届けてきました。主な訳書には、スーザン・バーレイ作『わすれられないおくりもの』、サム・マクブラットニィ作『どんなにきみがすきだかあててごらん』、デイビッド・シャノン作『だめよ、デイビッド!』、ベンジー・デイヴィス作『おじいちゃんのゆめのしま』などがあります。これらの作品を通じて、子どもたちや大人に感動や喜びを提供し、絵本の魅力を広める役割を果たしています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、3歳から5歳程度の幼児が適しています。物語の内容やイラストが幼児の興味や理解力に合っており、親子での読み聞かせにも最適です。また、友情や冒険をテーマにしているため、子どもたちの社会性や感受性を育むのにも役立ちます。

レビュー

本作は、チビウサギの初めての冒険と新しい友だちとの出会いを描いており、子どもたちにとって共感しやすい内容です。アニタ・ジェラームの柔らかく温かみのあるイラストが物語を引き立て、読者の心を温めます。また、前作からのキャラクターの成長を感じられ、親子で楽しめる一冊となっています。サム・マクブラットニィさんの遺作として、彼の優しい物語作りの才能を改めて感じることができ、感慨深い作品です。

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