
絵本『やさい』は、平山和子さんによるリアルな野菜の絵が印象的な絵本で1982年に発行されました。畑で育った大根やキャベツ、トマトなど、畑での野菜が育った様子を丁寧に描いたのち、それらが八百屋さんに並んだ姿までを紹介。自然の恵みや季節感、食への興味を育てます。まるで本物のようなリアルな絵とともに、野菜の魅力を再発見できる名作です
略歴
平山 和子
平山和子(ひらやま かずこ、1943年 – 2011年)は、日本の絵本作家であり、リアリズムに基づいた精緻な描写で知られています。東京生まれで、大学卒業後は画家として活動を始める一方、絵本制作に取り組みました。代表作の『くだもの』は、色鮮やかなリアルな果物の描写と、幼児向けの親しみやすい内容で高く評価されています。
彼女の作品は、自然や日常の美しさを描くことに定評があります。他にも『やさい』『いちご』などの作品があり、多くの子供たちに愛されています。平山さんの絵本は、シンプルでありながら温かみのあるイラストと、親しみやすいストーリーが特徴です。
おすすめ対象年齢
『やさい』の対象年齢は、2歳前後からがおすすめです。野菜の姿を視覚的に理解できる内容で、幼児にもわかりやすく、食育にも良いと思います。自然や植物に関心を持ち始める時期の子どもにぴったりの一冊です。
レビュー
『やさい』は、普段目にする野菜が畑で成長した様子、どのように店に並ぶのかを美しい絵でわかりやすく伝えてくれます。特に印象的なのは、野菜が地面の中や枝の先でどのようになっているのかが丁寧に描かれている点。ページをめくるたびに、「この野菜ってこうやって育つんだ!」という発見があり、子どもと一緒に読むのがとても楽しく感じました。色鮮やかでリアルな絵は大人の目にも魅力的で、食卓に並ぶ野菜に新たな感謝の気持ちが湧いてきます。野菜が好きになるきっかけになる、やさしくて知的な絵本です。