ずんずんばたばたおるすばん/ねじめ 正一

『ずんずんばたばたおるすばん』(文:ねじめ正一/絵:降矢なな/2022年 福音館書店)は、かあさんが出かけた途端、男の子のまわりが大騒ぎ!子ザルは天井から登場、ナマケモノは押し入れでくつろぎ、ペンギンは冷蔵庫、カピバラは部屋でフラダンス⁉ だけど本人はいたって冷静。動物たちと過ごす、想像力たっぷりのにぎやかなお留守番が展開されます。言葉のリズムも軽快で、縦開きの構図がさらに楽しさをアップ。読んでいて思わず体までずんずんばたばた動き出しそうな、元気いっぱいの絵本です。

略歴

ねじめ 正一

ねじめ正一(ねじめ・しょういち)さんは1948年、東京生まれ。詩人・作家として活躍し、詩集『ふ』でH氏賞、小説『高円寺純情商店街』で直木賞を受賞。下町的で人情味ある視点から作品を紡ぐのが特徴。エッセイやラジオ出演も多く、子ども向けの詩や絵本にも数多く関わっています。絵本では『わがままいもうと』『ずんずんばたばたおるすばん』なども知られています。

降矢 なな(絵)

降矢なな(ふりや なな)さんは1961年、東京都生まれ。スロバキアのブラチスラヴァ美術大学で絵本を学び、現在もスロバキアを拠点に活動する絵本作家です。動物や人の表情を豊かに描く画風が魅力で、『おれたち、ともだち!』シリーズ(作:内田麟太郎)でおなじみ。『めっきらもっきら どおんどん』(作:長谷川摂子)など、多くの人気作を手がけています。ユーモアと温かさを感じる絵が、子どもにも大人にも愛されています。

おすすめ対象年齢

『ずんずんばたばたおるすばん』は、3歳ごろから小学校低学年までの子におすすめ。大胆な構図と動きのある展開は、絵本に慣れてきた子どもたちに特に響きます。読んであげても、自分で読んでも楽しく、何度も開きたくなる絵本です。

レビュー

ページをめくるたびに「えっ!?」と驚く連続で、読んでるうちにどんどんテンションが上がっていく絵本です。動物たちが自由気ままに現れてはやりたい放題。でもそれに全然動じない男の子がすごくいい味を出していて、静と動のバランスが絶妙。降矢ななさんの動物たちは表情豊かで、それぞれに個性があって、眺めるだけでも楽しい!そして、ねじめさんの言葉選びがとにかく心地よくて、読み聞かせにもぴったり。親子で一緒に笑いながら読める、元気になれる絵本です。