ぼくにげちゃうよ/マーガレット・ワイズ・ブラウン

『ぼくにげちゃうよ』は、マーガレット・ワイズ・ブラウンが文を、クレメント・ハードが絵を手掛けた絵本で、原題は『The Runaway Bunny』です。1942年にアメリカで初版が発行され、日本では1976年に初めて紹介されました。物語は、逃げ出そうとする子うさぎと、それを追いかける母うさぎの対話を通じて、親子の深い愛情を描いています。子うさぎが様々な逃げ場所を提案し、母うさぎがそれに応じて追いかける姿が、温かくユーモラスに表現されています。この作品は、親子の絆や無条件の愛を感じさせる名作として、多くの読者に愛されています。

略歴

マーガレット・ワイズ・ブラウン

マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown, 1910-1952)は、アメリカを代表する児童文学作家で、多くの子どもたちに愛される絵本を生み出しました。特に『おやすみなさい おつきさま』(Goodnight Moon)は、彼女の代表作として知られています。ニューヨーク生まれのブラウンは、幼少期から動物や自然への関心を持ち、のちにホリンズ大学で教育を学びました。後、教師として働きながら執筆活動を開始。彼女の作品は、シンプルでリズミカルな言葉遣いと、子どもの感性を捉えた内容が特徴です。若くして急逝しましたが、その作品は今もなお、多くの読者に親しまれています。

クレメント・ハード(絵)

クレメント・ハード(Clement G. Hurd、1908年 – 1988年)は、アメリカの絵本作家・イラストレーターです。イェール大学で美術を学んだ後、パリで絵画を修めました。帰国後、作家マーガレット・ワイズ・ブラウンと出会い、『ぼくにげちゃうよ』(1942年)や『おやすみなさい おつきさま』(1947年)など、多くの絵本で共作しました。彼のシンプルで温かみのあるイラストは、物語の雰囲気を引き立て、多くの読者に親しまれています。

岩田 みみ(訳)

岩田みみ(いわた みみ)は、主に海外の絵本の翻訳を手掛けた翻訳家です。彼女は『ぼくにげちゃうよ』や『ちびゴリラのちびちび』など、多くの絵本の日本語訳を担当しました。その翻訳は、原作の魅力を日本の読者に伝えるものとして高く評価されています。ただし、彼女の詳細な経歴に関する情報は限られており、具体的な生年月日や出身地などは公表されていません。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、2歳から3歳頃の幼児とされています。シンプルでリズミカルな文章と、親しみやすいイラストが、小さな子どもたちの興味を引きつけます。また、親子での読み聞かせにも最適な内容となっています。

レビュー

『ぼくにげちゃうよ』は、子うさぎと母うさぎのやり取りを通じて、親の無条件の愛情と子どもの冒険心を描いた作品です。子うさぎが「逃げちゃうよ」と言うたびに、母うさぎが「どこへでも追いかけるわ」と答える展開は、親子の絆の深さを感じさせます。読み終えた後、親子の関係について温かい気持ちになれる一冊です。

タイトルとURLをコピーしました