『ボクと宇宙人のおにいちゃん』は、あさおようさんが作・絵を手がけた絵本で、2023年にニコモから出版されました。毎年夏になると、おばあちゃんの家で会える大好きないとこのおにいちゃん。宇宙飛行士のおじさんと火星人のおばさんの子どもで、今は火星に住んでいます。ところが、おにいちゃんが木星へ引っ越すことになり、「もうなかなか会えないかもしれない」と聞いた主人公は大ショック。離れてしまう寂しさや、大好きな人への憧れが、宇宙を舞台にしたユニークな設定で優しく描かれています。出版社が伝えるように、「少し年上のお兄ちゃん・お姉ちゃんへの憧れや、大好きという気持ちを大切にしてほしい」という思いが込められた作品で、温かな読後感が心に残る一冊です。
略歴
あさお よう
あさおようさんは1984年京都府生まれ。奈良県で育ち、沖縄県立芸術大学絵画専攻を卒業。第32回日産童話と絵本のグランプリ佳作、有田川絵本コンクール2017優秀賞、第9回武井武雄記念 日本童画大賞絵本部門大賞を受賞。受賞作『トカゲのともだち』で2019年に絵本作家デビューし、『じごくのさんりんしゃ』『おとうさんはぜったいにしなない』『ボクと宇宙人のおにいちゃん』『ぜったいさきに たべニャイぞ!』などを発表しています。
おすすめ対象年齢
『ボクと宇宙人のおにいちゃん』の対象年齢は4〜7歳頃がおすすめです。宇宙や火星人という楽しい設定にワクワクしながら読めるので、読み聞かせなら4歳頃から楽しめます。一方で、「大好きな人と離れてしまう寂しさ」や「また会いたい」という気持ちは、小学校低学年の子どもにも共感しやすいテーマです。兄弟やいとこ、年上のお兄さん・お姉さんに憧れを抱く子どもなら、主人公の気持ちに自然と寄り添いながら読むことができるでしょう。
レビュー
この絵本の一番の魅力は、宇宙人や火星、木星という壮大な設定なのに、描かれている気持ちはとても身近なところです。「大好きなおにいちゃんと離れたくない」という主人公の思いは、子どもの頃に誰もが感じたことのある気持ちではないでしょうか。宇宙というファンタジーの世界を舞台にしながらも、家族や親せきとのつながり、大切な人を思う心が丁寧に描かれていて、読み終えたあとには優しい余韻が残ります。おにいちゃんへの憧れや、一緒に過ごした夏休みの思い出がよみがえってくるような、どこか懐かしく温かい気持ちになれる絵本だと感じました。

