『たこをあげるひとまねこざる』(原題:Curious George Flies a Kite)は、マーガレット・レイ作、H.A.レイ絵でおなじみの「ひとまねこざる」シリーズの名作です。アメリカで1958年に発表され、日本では1966年に光吉夏弥さんの翻訳で岩波書店から出版されて以来、長年愛され続けています。
お留守番をしていたジョージですが、窓の外に小さな家を見つけ、気になってガマンできずに外へ飛び出してしまいます!
かくれんぼをしたり、魚釣りに夢中になったりと、思いがけない大失敗を重ねながらも冒険は止まりません。そして最後には、タイトルの通り大きな「たこあげ」に大苦戦!持ち前の好奇心いっぱいに大自然へ飛び込んでいくジョージの姿に、読んでいて思わずクスッと笑ってしまうユーモアと温かさにあふれたストーリーです。
略歴
マーガレット・レイ
マーガレット・レイ(Margret Rey)さんは、ドイツ・ハンブルク生まれの児童文学作家です。ブラジルでH.A.レイさんと結婚後、パリへ移住し、夫妻で絵本制作を始めました。パリを脱出し、その際に持ち出した原稿が後の『Curious George(ひとまねこざるときいろいぼうし)』となります。アメリカへ渡ってからはH.A.レイとともに「ひとまねこざる」シリーズを数多く発表しました。子どもの好奇心を温かく見守る物語づくりで、現在も世界中で愛され続けています。
H.A.レイ
ハンス・アウグスト・レイ(Hans Augusto Rey)さんは、ドイツ・ハンブルク生まれの絵本作家で、妻のマーガレットさんとともに多くの作品を生み出しました。実は『ひとまねこざる』誕生の裏には壮絶なドラマがあります。第二次世界大戦中、ナチスの追手から逃れるために手作りの自転車でパリを脱出した際、大切に持ち出した原稿こそが、のちに世界中で大大ヒットする『Curious George』(「ひとまねこざる」シリーズ)だったのです。夫妻の危機を救ったジョージは、今や世界中で愛される大人気キャラクターになりました。
光吉 夏弥(訳)
光吉夏弥(みつよし なつや,1904年 – 1989年)さんは、日本の戦後児童文学を支えた伝説的な翻訳家です。海外の優れた絵本を数多く日本に届けてくれました。ガンピーさんシリーズでも、シンプルでテンポの良い日本語訳を手がけていて、声に出して読み聞かせをしたときの心地よさは抜群です。『はなのすきなうし』や「ひとまねこざる」シリーズなど、今も多くの読者に親しまれる名作を残しました。
おすすめ対象年齢
『たこをあげるひとまねこざる』は、3歳頃から小学校低学年におすすめの絵本です。ジョージの好奇心いっぱいの行動は、小さな子どもが共感しやすく、「やってみたい」という気持ちを自然に育ててくれます。また、魚釣りやたこあげ、動物とのふれあいなど、外遊びの楽しさがたっぷり描かれているので、親子で話すきっかけにもなります。失敗しても前向きに行動するジョージの姿は、挑戦することの大切さも伝えてくれるでしょう。
レビュー
とにかくジョージの行動力が凄まじくて、ページをめくるたびに「次は何をするんだろう!?」とワクワクが止まらない一冊です。
次々とハプニングを引き起こしてしまうジョージですが、周りの大人たちが優しく見守ってくれている空気感にもほっこりします。魚釣りやたこあげといったどこか懐かしい遊びが描かれていて、大人にとっては少しノスタルジックで、子どもにとっては新鮮な魅力に映るはずです。
失敗してもめげずに前を向くジョージを見ていると、「よし、自分も外でおもいっきり遊ぼう!」と元気が湧いてきます。晴れた日に親子で読み返したくなる、爽やかでチャーミングな名作です!

