でこちゃんとらすたくん/つちだ のぶこ

『でこちゃんとらすたくん』は、つちだのぶこさんが作・絵を手がけた絵本で、2001年にPHP研究所から刊行された『でこちゃん』シリーズの第2作です。ある日、でこちゃんの家に、いとこのらすたくんがお泊まりにやってきます。家族みんなが らすたくんに夢中になっている様子を見て、でこちゃんは少しやきもちを焼いてしまいます。しかし、お母さんの何気ない一言をきっかけに、二人ともショートケーキのいちごを最後に食べることや、変顔が好きなこと、粘土のにおいを嗅ぐことなど、「おんなじ」がたくさんあることを発見します。共通点を見つけるたびに二人の距離は縮まり、最後は家族みんなで忍者ごっこを楽しむほど仲良しに。子ども同士が共通点を通して自然に心を通わせていく様子が、ユーモアあふれるイラストとともに温かく描かれています。身近な出来事から友情が育まれる楽しさを伝えてくれる、親子でほっこり楽しめる一冊です。

略歴

つちだ のぶこ

つちだのぶこさんは、東京都生まれの絵本作家・イラストレーターです。出版社勤務を経て創作活動を始め、身近な家族や子どもの日常を、ユーモアたっぷりの物語と、親しみやすく温かみのあるイラストで描く作風が人気を集めています。代表作には『でこちゃん』シリーズをはじめ、『ぼくんちカレーライス』『やまのやまびこ』『おおきくなったら』『へんしんやきいも』などがあり、多くの作品が読み聞かせ絵本として親しまれています。なかでも『でこちゃん』は、子どもの「恥ずかしい」「嫌だな」という気持ちに寄り添った作品として長く愛されています。表情豊かな人物描写と細部まで描き込まれた楽しい絵は、大人も思わず見入ってしまう魅力があります。

おすすめ対象年齢

『でこちゃんとらすたくん』の対象年齢は3〜6歳頃が目安です。幼稚園から保育園に通う子どもたちが共感しやすい「いとこがお泊まりに来る」「やきもちを焼く」「共通点を見つけて仲良くなる」といった身近な出来事が描かれているため、読み聞かせにもぴったりです。また、小学校低学年の子どもでも、「同じところを見つけると友だちになりやすい」という作品のメッセージを自然に受け取ることができます。家族や友だちとの関わり方を考えるきっかけにもなる、温かい一冊です。

レビュー

『でこちゃんとらすたくん』を読んで感じたのは、子ども同士が仲良くなるきっかけは、本当に小さなことなのだということです。最初は、家族の注目を集めるらすたくんにやきもちを焼いていたでこちゃんですが、「好きなものが同じ」「遊び方が同じ」という共通点を見つけるうちに、自然と笑顔が増えていきます。その変化がとても自然で、子どもらしさに溢れていました。特に、お互いの「好き」を次々に見つけていく場面は読んでいて楽しく、「同じ」が人と人をつないでくれることを改めて感じます。つちだのぶこさんらしい表情豊かなイラストも魅力で、家族みんなで読めば「自分たちにもこんなことあるね」と会話が弾む、心温まる絵本だと思いました。