中川ひろたかさんが文を手がけ、中川貴雄さんが絵を描いた『くいしんぼうのサンタクロース』(2019年、教育画劇)は、クリスマス以外のサンタさんの姿を描いたユーモラスな絵本です。秋を迎えたサンタさんは「スポーツの秋」「芸術の秋」…と悩んだ末、「やっぱり食欲の秋!」を選びます。おなじみの相棒・ルドルフを自宅で待たせ、一人で山へ食材探しに出かけますが、迷子になってしまい…!?今回登場するのはなんとサンタの奥さん!ちょっとドジで、でも愛らしいサンタさんと仲間たちの秋の冒険が、にぎやかに描かれています。
略歴
中川 ひろたか
中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。
中川 貴雄(絵)
中川貴雄(なかがわ たかお)さんは1979年和歌山県御坊市生まれ。大阪デザイナー専門学校でイラストを学んだ後、2005年以降フリーランスとして活動をスタートし、2009年からはクリエイティブユニット「なりゆきサーカス」に参加。絵本作家としては『わすれんぼうのサンタクロース』(中川ひろたか作)でデビューし、『なんにでもレナール!』など教育画劇から多数刊行。2020年刊行『くまのこ3きょうだい ふねのきょうそう』では絵を担当し、中川ひろたかさんとの双子ならぬ“同姓・共作”絵本のタッグとして注目を集めました。現在は絵本制作のほか、展覧会やワークショップを通じて幅広く活動されています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は2歳〜小学校低学年くらいがおすすめです。お話の展開がわかりやすく、ユーモラスなサンタさんの行動に、子どもたちも大笑い間違いなし!前作を読んでいなくても楽しめる内容ですが、シリーズで読むとさらに世界が広がります。
レビュー
サンタクロースって、クリスマス以外はなにしてるの?そんな子どもの素朴な疑問にユーモアたっぷりで答えてくれるのがこの絵本。ゴルフや芸術に挑戦してもイマイチうまくいかない、そんな“人間味あふれる”サンタさんがとにかくかわいい!頼れるルドルフと、まさかの活躍を見せる奥さんの存在も微笑ましく、ページをめくるたびにクスッと笑えます。秋の自然や食べ物の描写も豊かで、季節感を楽しみながら読める一冊です。クリスマス前の読み聞かせにもぴったり!


