とよたかずひこさん作・絵の『めろんさんがね・・』(2018年 童心社)は、大人気「おいしいともだち」シリーズの12作目です。「ここにずっといるのあきちゃった」とお店を飛び出しためろんさん。くだもの仲間の協力で外へ出ると、ねこさんやいぬさんにごろんごろんと転がされ、坂道を勢いよく転がっていきます。「しんぱいごむよう!」と元気いっぱいのめろんさんが最後にたどり着いたのは…?ユーモラスな展開とリズミカルな言葉が楽しく、読んでいるうちに笑顔になれる絵本です。
略歴
とよた かずひこ
とよたかずひこ(本名:豊田 一彦)さんは、1947年、宮城県仙台市に生まれました。早稲田大学第一文学部を卒業されています。大学卒業後はフリーのイラストレーターとして活動し、長女の誕生をきっかけに絵本作家へと転身しました。1997年には『でんしゃにのって』で厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦を受け、2001年には『どんどこ ももんちゃん』で第7回日本絵本賞を受賞しています。また、『あめですよ』は小学1年生の国語教科書(東京書籍)に採用されるなど、多くの作品が親しまれています。
おすすめ対象年齢
『めろんさんがね・・』は、2歳ごろから楽しめる絵本です。シンプルで繰り返しのある文章や擬音語が多く、小さな子どもたちがリズムにのって聞ける内容になっています。また、果物が元気いっぱいに動き回るユーモアたっぷりの展開は、幼児から小学校低学年まで幅広く楽しめます。
レビュー
読んでいてとても元気をもらえる絵本だなと思いました。めろんさんの「しんぱいごむよう!」というセリフが、とても頼もしくて、子どもたちも思わずまねしたくなるはずです。転がっていくシーンはテンポが良く、声に出して読むと一層楽しい雰囲気に。しかも最後には「おいしいもの」に変身するというオチがあって、読後にちょっとお腹がすいてしまいました。ユーモアと安心感が絶妙に組み合わさった作品で、読み聞かせの時間を盛り上げてくれる一冊です。


