『ランドセルがやってきた』は、中川ひろたかさん作・村上康成さん絵のコンビによる絵本で、2009年に徳間書店から刊行されました。幼稚園から帰ったうみひこくんのもとに届いたのは、おじいちゃんからのプレゼント、ピカピカの青いランドセル! 早速背負ってみると、まだ体には大きいけれど、ちょっぴりお兄さん気分。近所の人に「りっぱだね」と声をかけられたり、未来の6年生を想像したりと、胸の高鳴りが止まりません。入学前のワクワクやドキドキをそのまま描いた物語で、春の新生活を迎える子どもにぴったり。ランドセルを手にした瞬間の喜びや誇らしさを、爽やかな絵と温かい言葉で伝えてくれる絵本です。
略歴
中川 ひろたか
中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。
村上 康成(絵)
村上康成(むらかみやすなり)さんは1955年岐阜県生まれ。魚や森など自然をテーマにした作品が多く、「自然派アーティスト」としても知られます。代表作に『ピンクとスノーじいさん』や『なつのいけ』などがあり、1995年には『ようこそ森へ』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。中川ひろたかさんとのコンビでも多くの絵本を手がけ、子どもたちの成長や日常をやさしく描き出しています。個展や講演活動も精力的に行い、絵本の魅力を広げ続けています。
おすすめ対象年齢
『ランドセルがやってきた』の対象年齢は、おもに 5歳〜7歳ごろ。入学準備期の子どもたちにぴったりで、新しいランドセルを手にした時のワクワク感を共感できます。入学式を控える園児にはもちろん、小学校生活が始まる子どもたちにもおすすめ。家族みんなで「小学校って楽しみだね」と話すきっかけになる絵本です。
レビュー
読んでいて「そうそう、この気持ち!」と懐かしさがこみ上げてきました。初めてランドセルを背負った瞬間の誇らしさや、ちょっと大きすぎる感じがすごくリアル。新一年生になる前の特別なワクワクが描かれていて、大人も共感できると思います。おじいちゃんが好きな色を覚えていてくれたことや、近所の人に声をかけられるシーンも温かくて、人と人とのつながりを感じました。村上康成さんの爽やかな色使いも春らしくて、絵を見ているだけで気分が晴れるよう。入学を控えた子にも、親や祖父母にも贈りたくなる一冊です。