エリック・ヒル作の『コロちゃんのクリスマス』は、イギリスで1983年に “Spot’s Magical Christmas” として発行されました。日本では1984年に評論社から出版されました。この絵本は、子犬のコロちゃんがクリスマス・イブに母親と一緒にツリーの飾り付けを手伝い、真夜中にサンタクロースがプレゼントを届ける様子を描いた、楽しいしかけ絵本です。シンプルなストーリーとめくる楽しさが、小さな子どもたちの興味を引きつけ、親子で一緒に楽しめる内容となっています。
略歴
エリック・ヒル
エリック・ヒル(Eric Hill、1927年 – 2014年)さんは、イギリス出身の絵本作家・イラストレーターで、特に仕掛け絵本のパイオニアとして知られています。ロンドンで生まれ、16歳で学校を卒業後、印刷工場で働き始め、その後広告業界に進出しました。広告業界での経験が彼のデザインやストーリーテリングの基礎を築き、シンプルで分かりやすいスタイルを確立するきっかけとなりました。1976年、彼の息子クリストファーのために描いた絵がきっかけで、子犬「コロちゃん(Spot)」が誕生しました。1980年に出版された『コロちゃんはどこ?』(Where’s Spot?)は、フラップ仕掛けを取り入れた革新的な作品として大成功を収め、世界中で親しまれるシリーズとなりました。エリック・ヒルはその後も数々のコロちゃんシリーズを執筆し、2014年に86歳で逝去するまで、子どもたちに愛される作品を生み続けました。
まつかわ まゆみ(訳)
まつかわまゆみ(松川 真弓)さんは、英米の絵本や物語の翻訳家として活躍しています。 代表的な訳書には、エリック・ヒル作の『コロちゃんはどこ?』や、ジョン・バーニンガム作の『ねえ、どれがいい?』、ハリエット・ジィーフェルト作の『アンナの赤いオーバー』など多くの作品を手がけています。彼女の翻訳は、原作の魅力を日本の読者に伝えることに定評があり、子どもから大人まで幅広い層に親しまれています。 特に、エリック・ヒルの「コロちゃん」シリーズや、ジョン・バーニンガムの作品など、仕掛け絵本やユーモラスな作品の翻訳で知られています。 その訳文は、原作の雰囲気を損なうことなく、日本語として自然で読みやすいものとなっており、多くの読者から高い評価を受けています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、出版社のおすすめとして3歳から5歳となっています。シンプルな文章と楽しいしかけが、小さな子どもたちの興味を引きつけ、親子で一緒に楽しむことができます。特にクリスマスの季節に読み聞かせることで、子どもたちの想像力や期待感を高める効果が期待できます。
レビュー
『コロちゃんのクリスマス』は、クリスマスのワクワク感と家族の温かさが伝わる素敵な絵本です。シンプルなしかけが子どもたちの興味を引き、親子でページをめくる楽しさを共有できます。コロちゃんの無邪気な行動や、サンタクロースからのプレゼントを待ち望む姿は、子どもたち自身の経験と重なり、共感を呼ぶでしょう。クリスマスの時期に親子で読むことで、家族の絆を深める一冊としておすすめです。


